神対応と塩対応の使い分けが理想のビジネスの形を作る

2019/07/20

近年、人気アイドルグループの握手会での、アイドルからファンに対する対応から、「神対応」や「塩対応」といった言葉が生まれました。

 

神対応とは、お客様の想像をはるかに超えた素晴らしい対応のこと、塩対応とはその逆の素っ気ない対応のことです。

お客様に「塩対応」というと、少し語弊があるかもしれませんが、通常通りの対応という意味合いで、今回の記事を書き進めたいと思いますのでご理解ください。

 

飲食店に求められるのは基本的に「神対応」なのですが、「塩対応」をしなければいけない時があります。

 

それは、

 

当たり前の事ですが、お店が忙しい時です。

忙しい時はとにかく徹底的にクオリティの高いうどんを提供することに努め、お客様を捌くために塩対応をする必要があります。

 

しかし、余裕がある場合は逆に、「神対応」をすべきです。

 

セルフサービスのお店でも、フルサービスのお店でも問いません。

お客様に話しかけてみたり、お客様が店を出られる際にはお見送りしたりして、相手のことを知ろうと努力していきましょう。

すると、その人はお店のファンになってくれます。

それから、次にその人がお店に来た時に「今日はいつもの釜玉でいいですか?」とか「今日はゴルフ帰りですか?」なんて

言った時にはきっと「分かってくれてる!」と喜んでもらえるでしょう。

 

そうやって、忙しい時は塩対応、暇な時は神対応をすることで、時間に余裕のあるお客様は営業時間に対し暇な時間を狙って来ようとしてくれます。

 

そうすると、売り上げも必然的に変わっていきます。

 

例えば営業時間が午前10時から午後4時のうどん屋があったとします。

お昼は満腹中枢を満たしたい人が来るので、たくさんのお客様が来てくれます。そのため、正午~午後1時はとても忙しくなります。

しかし、その時間帯だけが突出して売り上げがいい売上曲線が「山形」では、経営が長続きしません。

 

売り上げのピークを長時間継続させて、売り上げ曲線をいかに台形にするか?というのが大事です。

 

お客様のお腹を満たすと正午~午後1時だけ人が来てくれます。

しかし、心を満たすと、午前11時~正午、午後1~2時に、わざとずらしてお客様が来てくれるようになります。

または、10時~来てくれるお客様も増えるかもしれません。

そういったお客様に「今はお昼の仕込みが忙しいんで!」という対応はすべきではありません。

その時間帯には、ピークの時間帯とは別の接客やサービスをする時間であり、12時~のピークに準備をする為だけの時間ではないという意識を心がけましょう。

そうすると、お客様はずっと10時台に来てくれるかもしれません。

 

場所によっても様々ですが、ある程度、売り上げが見込める曜日や時間帯に、お客様が来られるのは当たり前で、

いかにそれ以外の曜日や時間帯にお客様が来てくれるのか? ここに意識を傾ける努力をしなければいけません。

 

例えば、郊外のセルフ店だと、基本的に平日の12時~13時と土日が結構な売り上げになるパターンが多いです。

ですので、土、日は人を大量に雇用し、平日はいかに少ない人数で営業できるかと考えてしまいがちです。

 

平日がダメだから土日で儲けるというビジネスをすると、しわよせがどこに行くと思いますか?

それは、パートやアルバイトといった一緒に働くスタッフです。

なぜかというと、パートやアルバイトのスタッフは、みんな月に平均して安定した稼ぎを得たいと思っています。

それなのに「土・日だけ来てね」とすると、当然ながら稼げません。 すると辞めてしまいます。

 

平日が暇だと、店主は平日の人件費を削ろうとします。

でも、削れば削る程、人は頑張らなくなり、お客様は塩対応にすら満たない十分な接客がしてもらえないと分かると、どんどん離れていってしまいます。

つまり、人件費を削ると、結局はお客様をも削ってしまいます。

それでは本末転倒です。

 

お店によっては土日は県外のお客様など、地元と関係のない方が多い傾向にあります。

でも平日のお客様というのは、経営の土台を支えてくれる大切な存在です。

 

平日のお客様が注文するのは一番安いものかもしれません。

県外から来たお客様の方が、客単価は高いかもしれません。

 

しかしトータルで見ると、大きなお金を落としてくれるのは平日のお客様です。

だからこそ、一番大事にしなければならないのです。

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